ソーシャル電通人

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ソーシャル電通人 #002
加形 拓也 電通 第4CRプランニング局 ストラテジック・プランナー/a-con理事長 社会にイノベーションを生みだすNPOを
コミュニケーションのスキルで応援したい!

NPOのコミュニケーションをサポートする活動をつづける加形さんに、 活動のきっかけや、活動の内容、これからの課題についてききました。

――今後に向けて、a-conの課題はどんなことですか。

プロジェクトリーダーが悩んじゃってうまくいかなくなるようなケースもありますから、プロジェクトを回せる人をどう育成するか、その辺に時間を割かなきゃいけないと思っています。たとえば、作業期間を3か月くらいで区切って、1週間に1回みんなが集まるとか、そのくらいのテンションならうまくいくけど、3週間に1回だとテンション下がるとか。そういう経験知をきちんとまとめて実践に生かしてしていきたい。そうすると、実は数百人規模どころか、1万人でも対応できるのではないか。  

何年かつづけるなかで、組織の規模ではなく動き方がポイントだということがわかってきました。社会人がすき間の時間を使って、チームをつくってひとつの価値を出すのは大変なことですが、もう一方では、ファシリテーションが有効だとか、ソーシャルメディアをうまく使うのがコツだとか、そういうことも明らかになりつつあります。

働き方に関するセミナーに呼ばれてa-conの活動を紹介すると、数十人の規模だったら、7、8人くらいが「やりたい」っていってきてくれるとか、けっこう反応はあるんです。まだまだ戦略的には動けてはいませんが、そういうチャンスをもっと活かしてプロジェクトリーダーを見つけていきたいですね。

 

ダイレクトメール制作のファシリテーションに参加したシャンティメンバーとa-conメンバー

――「ソーシャル」に、どんな期待や可能性を感じていますか?

 「善かれと思ってやること」「善意」といった意味合いのグッドウィルという言葉があります。そういう言葉って、3年前くらいまでは僕自身も気持ち悪いと思っていた。自分ではいろいろなNPOのサポートができればいいと思っているわけですが、「それって自己満足じゃん」という考え方もあるので、人に薦めたりするのも嫌だったんですよね。実際にサポートをしていても、さまざまな課題に触れますから、自分のプランナーとしての経験になったり、独自性が磨かれるといったこともあったりしますが、それもなんかズルいし嫌だった。聞かれたらもちろん話しますけど、NPOの代表のくせに、自分からa-conの話をすることはあまりなかったのですね。  

でも、多分フェイスブックやツイッターが普及してき影響もあって、「善かれ」と思ってはじめて、いい成果が出てることってけっこう増えてきていると思います。「偽善だよ」っていう人もいるけれど、本当に役に立つプロジェクトもいっぱい出てきている。a-conのメンバーを見ていても、「溝」を超えたっていうか、「いいと思ったからやったんだよね」って照れなく語れる時代になりつつあるのではないかっていう気がします。  

そういう変化の一方で、「いいね!」ってやったことがつづいていかなければ、人に迷惑をかけることになりますし、効果もあがらないっていう認識もできつつあるし、ビジネスの仕組みを取り入れる必要があることも常識になってきている。  

ちょっと前までは、ビジネスと社会貢献って対立構造にあるってみんな思い込んでいたと思う。それが変わってきたのは、やはりいい事例がけっこうあったからだと思うんです。社会人が別のことやりながらプロジェクトを回していくには、こういう難しいところがあるけれども、こういうやり方もあるよねっていう新しい常識みたいなものをa-conがつくっていきたいと思っています。

プロフィール

加形 拓也

1978 年生まれ。千葉県出身。電通ではコミュニケーション戦略や商品開発を担当するプランナーとして活動している。東京大学経済学部で開発経済/移行経済を学び、フィールドワークのかたわら、紛争地・貧困地域など80ヵ国を旅する。NGOでのインターン経験を経て、「コミュニケーション」こそが社会的な問題解決に大きく役立つのではないかと思い広告会社に就職。本業に加え、2007 年に仲間とa-con を立ち上げ理事長を務める。趣味はウクレレと相撲。

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